AgainST Gallery(アゲンスタジオ・ギャラリー)では、2024 年 4 月 19 日(金)から 2024 年 4 月 22 日(月)まで、 Mamiko Hirai「とあるひ」展を開催します。本展は、音楽家 平井真美子が日々の心模様をスケッチして創作する短編曲 “とあるひ” の58日分を、芦屋市立美術博物館にて再記録したアルバム “とあるひ記録集” の発表に併せて公開制作と演奏会が行われます。
幼少期から平井は、自分の心の奥にある小さな声、またはその出来事に耳を傾けて音遊びをしてきました。その原体験が、現在に続く日常の束の間、言葉では表しきれない想いや景色をスケッチするように綴ってきた短編曲の集合体 “とあるひ” へと繋がっていきます。“とあるひ” で音楽として形づくられているものは、音と音、人と人、心と心、平井自身が日常の中でとらえた「 あわい <間> 」。言うなればそれは “ただそこに在るもの” として君臨する無意識の共鳴である。それは儚く、だからこそ尊いもの。それらひとつひとつを拾い集め音として昇華してきた結晶が “とあるひ” のひとつの「forme = 形」と言えるのかもしれません。
本展は、アルバム “とあるひ記録集” の創作になぞらえて「共創」というテーマを根幹にしています。イベントはそのテーマに沿うように日頃から彼女が愛用している足踏みオルガンやミニピアノなど古い楽器で、記録集に収められた曲を中心に奏でられる演奏会、さらに“とあるひ” を制作した時同様その日その時の想いを音で綴って行く公開制作(インスタレーション)という二つの実演で構成されます。平井が奏でる“たった今の響き”を通して、来訪される皆さまと"形無き音の展示"を分かち合うことができれば幸いです。
[Artist Statement]
知らぬ間に備わっていた理想や価値観に元々あった感性が抑えつけられるような感覚になることがあります。
“これって、今自分が本当に感じていることなのかなぁ”
私にとってピアノの前に座り音を響かせることは、たった今の自分の気持ちを探求していく行為そのものなのかもしれません。
2020年11月に芦屋市立美術博物館で開催された『美術と音楽の9日間 rooms 』に音楽展示で参加することをきっかけに、2019年末から約2年半 "とあるひ"と題して短編曲を創作し続けました。その日その時の心模様やただ窓から見える空の色を描くように音をスケッチしていくシンプルな作業。幼い頃から、日常やレッスンの束の間で、ピアノと自由に触れ合うのが好きだったので、そういった経験がこの作品の原点にあったように思います。仕事や課題曲ではなく、感じるままの創作は心の奥にある闇と光を可視化する特別な時間となり、間もなくしてコロナ禍で空白の時間が出来たことによりこの取り組みにも拍車がかかっていきました。
2022年の夏、再び芦屋市立美術博物館に還り、書き綴ってきた"とあるひ"を再記録。延べ58日分のスケッチをレコーディングしました。長い組曲を聴いていただくような気持ちで味わっていただければ幸いです。聴く人の暮らしの中で、この"とあるひ"があるがままの自分へ還る、その旅のお供になれたなら、こんなにうれしいことはありません。
「とあるひ」記録集|a day
ピアノ演奏|平井真美子
録音|Flysound Co.
ピアノ調律|大垣美幸(タカギクラヴィア株式会社)
協力|芦屋市立美術博物館
デザイン|サイトヲヒデユキ
制作|島田達也(night cruising)
special thanks to
青木美歌
Daisy Balloon(AgainST)
河合忠芳&久美子(ONE AND ONLY)
北條裕子(カミツレの里 八寿恵荘)
大槻晃実(芦屋市立美術博物館)
大脇千加子(WONDER FULL LIFE)
Sai
Matinee, Journee, Soiree, and my dear family and friends
主催|デイジーバルーン
企画構成|ヒッツファミリー
制作協力|株式会社加藤文明社, 紙谷刷太郎, デザインハウス クジキ, night cruising
展示協力|大脇千加子 (WONDER FULL LIFE), サイトヲヒデユキ, ピアノピア、有限会社今城左官, 岩永絵里 (IRIS), 向井理依子 (art d’encadrement), 相良直嗣
音響|Flysound Co.
ピアノ調律|加古慈乃(株式会社タカギクラヴィア)