媒体|Numero TOKYO 73|"Idea box"
掲載|2013年10月
頁|74-75

デイジーバルーン写真集 vol.2|劣化:
掲載|2013年9月
頁|53-55
撮影|東京、日本
オーダーフォーム|https://daisyballoon.stores.jp/items/52fec0b18a56100f76000224

バルーン|デイジーバルーン
フォトグラファー|Toru Furuya

劣化|美とは脆さの裏返しなのではないだろうか。半永久的な物質にも美は存在するが、日本人が「もののあわれ」と嘆いたように美は失われるものに内包されるようだ。何千年という時間の篩いによって美の定義は揺れ動いてきたが、バルーンの美もまた脆さの中にあると考えられる。強度としてあらゆる物質の中でも弱者であるバルーンは、半永久的な物質に反して、寿命は極端に少ないと言ってよい。しかし時間経過に伴い、形が備わった物質がやがて劣化して、死にゆく定めにあるからこそ、我々は美を語り尽くすことができる。その答えなき答えを探求する姿勢こそが、美そのものであるかのように我々の意思に相反して、劣化は時を刻むのである。

©DAISY BALLOON